ジャケットと同じくコートにも「一番下のボタンを留めるか留めないか問題」があります。
特にチェスターコートはフォーマル度が高く、スーツと類似性があることからボタンを留めないほうがいいのではないかと考えられたりもしています。
今回は、チェスターコートの一番下のボタンを留めるべきかどうかについて解説します。
チェスターコートの下のボタンは留めてもOK
ファッション雑誌などでチェスターコートの着こなしを見ると、ジャケットのように上のボタンは留めて一番下のボタンは外す、というスタイリングがほとんどです。
チェスターコートにおいても下のボタンを外すのが一種のマナーなのかと思われがちですが、実際は外す必要はありません。
ジャケットの下のボタンを外す理由
まずはじめに、なぜジャケットの一番下のボタンを外すようになったかというと、一番下を外さないとジャケットの形が崩れてしまうため、という理由があげられます。
かつてジャケットの胸のボタンが今よりも高い位置にあったころは、シワが寄ったりしないためボタンをすべて留めても問題ありませんでした。
それが時代とともにジャケットのデザインが徐々に変化し、ボタンの位置が下がってきて、一番下を外さないとジャケットの形が崩れてしまうため、外すのが一般的になったという経緯があります。
チェスターコートの下のボタンを留めてもマナー違反ではない
上記のことから考えると、ジャケットの裾が伸びた形のチェスターコートでは、一番下のボタンを外さなくても形が崩れることはないので、外す必要はないということになります。
そもそも正式なチェスターコートは比翼仕立て(ボタンが表に出ない仕立て)で、ボタンを外したとしても表からはわからないわけで、そういったコートに対して一番下のボタンを外すというルールが加わったとはちょっと考えにくいです。
ボタンをすべて留めたままだと歩きにくいのでは、と考える人もいるかもしれませんが、スリムフィットで相当下までボタンが付いているならいざ知らず、一般的なチェスターコートのボタンの位置でしたら、すべてのボタンを留めても歩きにくいということはないはずです。
外してはいけないわけでもない
以上のことから、チェスターコートのボタンはすべて留めても問題はないのですが、現在では一番下のボタンを外すのが日本のファッション界においてオシャレなものとして捉えられているのも事実。
ビジネスやカジュアルのときは一番下のボタンを外して洒脱な雰囲気を演出し、フォーマルのときはしっかりボタンを留める、というのが現在の実情に合った着こなしなのではないでしょうか。