スーツをどのように着るかというのは学校で細かく教えてくれるわけではないですし、社会人になってまわりの人を観察したり上司からアドバイスをもらったりして、少しずつ覚えていくことが多いのではないでしょうか。
とはいえそれが必ずしも正解とは限らないわけで、いつのまにか自分ルールでスーツを着ている方も多いと思います。
カジュアルファッションとは違ってビジネススーツには、ヨーロッパからはじまる歴史ある「着こなし」が存在します。そこをしっかりとおさえてデキる男を目指しましょう。
スーツの一番下のボタンは留めるべからず
今回取り上げるのはスーツのボタンの留め方です。これはスーツの着方の中でも基本中の基本なので知っている方も多いかと思われますが、今一度確認しておきましょう。
現在のスーツの定番は、シングルの2つボタンか段返り3つボタン(一番上のボタンがラペルの裏に隠れているもの)ですが、一番下のボタンは飾りボタンであり、留める必要はありません。2つボタンのジャケットのときは上のひとつだけ、段返り3つボタンのときは真ん中のひとつだけ、が正しいスーツのボタンの留め方です。段返りではない普通の3つボタンスーツの場合は上の2つを留めます。
ジャケットは元々すべてのボタンを留める仕様だったのですが、時代とともにデザインが変化し、ボタンの位置が徐々に下がっていき、一番下のボタンを留めるとジャケットの形が崩れてしまうため外すようになったという経緯があります。
アンボタンマナーについて
ジャケットの一番下のボタンを留めないことを「アンボタンマナー」と呼ぶこともありますが、実際はマナーというほど強いものではないです。
上記のようにボタンをすべて留めるのが普通だった時代もあるわけですし、仮に一番下のボタンを留めたからといって、相手に対して失礼にあたるとかそういう意味を持つものではありません。どちらかというと立っているときにボタンをすべて外しているほうがマナーとしてはよくないです(もっともこれも今はある程度許容されているようですが)。
ただ現在では、ジャケットの一番下のボタンを外すことがスーツスタイルにおいて完全に定着しているため、下のボタンを留めていると、スーツの着方がわかっていないんだなと人から思われる可能性があります。
意地を張る意味もないので、一番下のボタンは外しておいたほうがいいでしょう。あくまでスーツの形を崩さずに、優雅に着るための方法です。
問題はこのことを知らない上司に、みっともないからボタンを全部留めろ、と言われたときにどうするかです。
上司に対してスーツの基本を説くなど百害あって一利なし。その場では留めて、あとでこっそり外しておきましょう(笑
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