かつてブルージーンズ(ジーパン・Gパン・デニム)はカジュアルパンツの王様で、ジーンズかそれ以外、というほどに人気がありました。
ヴィンテージやデッドストック、赤耳等、デザイン以外の部分にも注目が集まり、信じられないような高値で取引されたほどです。
ところが最近では若者のジーンズ離れが顕著で、ここ10年で生産量が3割も減少しています(日本ジーンズ協議会調査)。
カジュアルパンツの多様化が、ジーンズ一択の時代を終わらせたのだと考えられます。
たとえばジョガーパンツなどスウェットパンツの類いは、昔だったらスポーツをするときかパジャマ代わりとしてはくものであって、街に出て歩くためのものではなかったはずです。それが現在では、オシャレなストリートスタイルのパンツとして認知されるようになっています。
と、ジーンズのネガティブな話からはじまってしまいましたが、ジーンズ自体のファッションアイテムとしての価値はまだまだ健在だと思います。
ジーンズが下がったというより、ほかが上がったと考えられるからです。
そんなジーンズですが、現在ではシルエットのタイプや色落ち加工など、さまざまな種類が存在します。
その中で、30代・40代の大人の男がはいてはいけないジーンズ、そしてはくべきジーンズについて解説していきたいと思います。
NGなジーンズ8選
クラッシュジーンズ
クラッシュジーンズとは、膝や腿のあたりが大きく破けた加工がされているダメージジーンズのことです。クラッシュデニムとも呼ばれます。
トレンド感のあるアイテムですが、「大人の落ち着き」とは真逆のデザインです。
男性の場合は穴から足の毛が見えてしまうので、女子ウケもあまりよくありません。
ピチピチのスキニー
足のラインがまるわかりなレベルのピチピチのスキニーがアリなのは20代前半までです。
頭が小さく上半身と下半身のバランスがいいスタイルの方なら似合いますが、そうじゃない場合は全体のバランスがいびつで下半身が貧弱に見え、頼りがいのない感じに見えてしまいます。
テーパードタイプでそこまで細くないスキニーは問題ありません。
中途半端なユーズド加工のジーンズ
それほど色落ちしていないくすんだ色のジーンズに、人工的で中途半端なヒゲや太もものアタリ(色落ち)加工がされているジーンズは、オシャレ度を下げてしまうアイテムです。
ファッションに気をつかっているのにどこかあか抜けないと感じるときには、このジーンズがネックになっている場合がよくあります。
ケミカルウォッシュ
ケミカルウォッシュのジーンズは最近になって見直されてきて、ファッションアイテムとして取り入れられていますが、大人のアイテムとしては避けておいたほうがいいでしょう。
というかどうしてあそこまでダサいアイテムの代名詞として嫌われたのか、今となっては不思議ですね。
上の画像はレディースのコーディネートで、この組み合わせならいい感じかなと思いますが。
ダボダボの腰ばきジーンズ
さすがにもういないとは思いますが、ダボダボなジーンズの腰ばきはNGです。
ジーンズは基本的に腰ではくものですが、NGの腰ばきとは下着が見えるレベルで極端にジーンズを下げてはくことを指します。
ダンサーもヒップホッパーもスケートボーダーも、今やスリムフィットのジーンズをはく時代になりました。
最近はワイドフィットのパンツがトレンドですが、ここであげたダボダボとは違うものなので注意が必要です。
ステッチやハトメがたくさん入っているジーンズ
過度に装飾されたデザインは、大人の男には似合いません。
ジーンズを選ぶ際は、シンプルでオーソドックスなものにしましょう。
ボタンフライが表に出ているジーンズ
上と同じ、過度に装飾されたものです。
ベルボトム
ボヘミアンスタイルや70sリバイバルなどで復活の兆しのあるベルボトムですが、その流行は女子を中心としたものです。
男性でこれを取り入れている人は、ファッションに強いこだわりがある人というイメージなので、paulieではオススメしません。
大人の男を格上げするのは、シンプルさと控えめさを基本としたファッションです。
ジーンズの裾の長さ
ジーンズの裾をどのくらいの長さにするかについてですが、ずるずると引きずるほど長いのがNGなのは言うまでもありませんが、最近流行りの短めの裾もあまりオススメできません。
短めの裾というのはトレンド感があるがゆえに、1年後、2年後には古くなっている可能性があるからです。
トレンドを取り入れたいなら短めの裾(靴の甲に軽く触れるくらいの長さ)でもいいですが、同じジーンズを長くはきたいなら、定番の踵から指1本分上の長さあたりを目安にするのがいいでしょう。
ただし細いシルエットのジーンズは、足首のところで裾がつまってしまうので、それよりも短めのほうがいいです。
あわせて読みたい>>スキニーパンツ・スキニージーンズの裾の長さの決め方
ジーンズを裾上げする際の注意点
裾上げする際には注意点が2つあります。
ひとつ目はノンウォッシュのジーンズについてです。
ノンウォッシュのジーンズは洗濯によって生地が縮むので、裾上げはそれ以上縮まない状態になってからするようにします。
一度洗濯した後に乾燥機に入れると、完全に縮ませることができます。
2つ目は色落ち加工がされたジーンズについてです。
裾の部分に縦じまのアタリ加工がされたものを裾上げすると、せっかくのアタリがなくなり不自然になってしまいます。
裾上げしたものをアタリ出し加工してくれるお店もありますが結構な値段がしますし、自分でコンクリートにジーンズの裾を打ちつけてアタリを出すのも手間がかかります。
色落ち加工がされたジーンズを購入する場合は、できる限り自分のレングスにあったものを選ぶか、もしなかった場合は少し長めのものにしてロールアップするようにしましょう。
ちなみにロールアップは1回だけ、長くとも3cmくらいにとどめておくのがオススメです。
あわせて読みたい>>裾上げしたジーンズのアタリ(色落ち)を自分で作る方法
30代・40代にオススメのジーンズ
NGなジーンズを見ていくと、自然とはくべきジーンズも見えてきます。
・シルエットがダボダボなのは避けて、下半身をすっきり見せられるスリムフィット、もしくはピチピチすぎないテーパードタイプ(太ももは多少余裕があり、膝から足首にかけて細くなるもの)のもの
・ヒゲやアタリなど、中途半端なユーズド加工のされていないもの
・装飾のためのステッチなど、デザインされすぎていないもの
これらの条件を満たすジーンズなら、カジュアル過ぎず、ジャケットと合わせるなど大人のスタイリングが可能です。
YANUK “VINCENTⅡ” スリムテーパード
L.A.発のデニムブランドYANUK(ヤヌーク)。
コダワリの生地を使ったスタイリッシュなシルエットの「大人向け」ジーンズがそろっています。
A.P.C. プチニュースタンダード
大人のジーンズといえばコレ! 高い人気を誇るフランスのブランド、A.P.C.(アーペーセー)のデニムです。
パッチもバックポケットのステッチもない、装飾を抑えたミニマルなデザインは、ドレスライクなスタイルにもぴったりハマります。
スリムテーパードのプチニュースタンダードを、パツンパツンにならないように、やや緩めのサイズをチョイスしてはくのがいいかなと思います。
Levi’s 502
ジーンズの定番といえばLevi’s(リーバイス)の501ですが、ここではモダンで着まわしやすいシルエットの502を紹介します。
太ももまわりはゆったりめで、そこから足首に向かって細くなるテーパードタイプのジーンズです。