レストランで出されるナプキンは、口を拭いたり服に汚れがつくのを防いだりするためだけでなく、時に客の意思表示に使われることもあります。
意外と細かいマナーが存在するナプキンですが、一度覚えてしまえばこの先もずっと使えるので、高級レストランに食事をしにいく機会があるなら、その前に一度確認しておきましょう。
ナプキンの広げ方
ナプキンはテーブルの皿の上にセットされていることが多いです。
まずはそれを広げて2つ折りにして膝の上に乗せます。折る位置は真ん中からでもずらしてもどちらでも大丈夫です。太ももが隠れるように調整しましょう。
凝った形に折りたたまれたナプキンは、そのままの形で膝の上に降ろしてからほどきます。
ナプキンの折り目を手前にするか、奥にするかというのは厳密に決まっているわけではないのでどちらでも問題ありません。
日本では折り目があるほうが手前というのが一般的のようですが、個人的には折り目側を奥にして、口を拭くときは手前の上側の1枚をめくるようにして使うと、元に戻したときに汚れが内側に隠れるのでエレガントかなと思います。
襟元にナプキンを入れて、前掛けのように使うのはNGです。
ナプキンを広げるタイミング
欧米ではナプキンは着席してすぐに膝の上に置くもの、という認識があります。
なんだかせかせかしているように思われそうだなと心配な方は、最初にアペリティフ(食前酒)を勧められると思うので、その注文を終えた後でナプキンを広げましょう。
いずれにせよ、なにか口に入れるものがテーブルに運ばれる前までに、ナプキンを広げておけば問題ありません。
上司や接待の相手など目上の人がいる場合は、その人たちがナプキンを広げるタイミングに合わせるといいでしょう。
ナプキンの使い方
ナプキンは口元と指先を拭くためのものです。
顔やテーブルやカトラリーなどを拭いたり、鼻をかんだりしないようにしましょう。
うっかりワインをこぼしてしまった場合も、ナプキンを使わずにお店のスタッフを呼んで処理してもらうようにしてください。
口元を拭くときは、ナプキンの内側の角を使うようにします。
使い終わったら汚れた面を内側にして、同じように2つ折りにして膝の上に戻します。
真っ白できれいなナプキンを使うのは気が引けてしまうかもしれませんが、ナプキンは汚しても全然かまわないものです。自分のハンカチやティッシュを使う必要はありません。
中座するときのナプキンのたたみ方
食事中に中座するのは基本的にマナー違反なのですが、やむを得ず中座しなければならない場合は、ナプキンを軽くたたんで、椅子の上に置いておきます。
フランスでは椅子を汚さないようにナプキンをテーブルの上に置くという説もありますが、一般的には椅子の上にナプキンを置いておくことは、食事途中であることを伝える合図であるとされています。
料理を食べ終わったあとのナプキンのたたみ方
料理をすべて食べ終わったら、ナプキンを軽くたたんでテーブルの上の皿の左側のあたりに置きます。
きっちりきれいにたたむと、料理がおいしくなかったという意思表示になってしまうので気をつけてください。
料理に満足したことを表すにはぐしゃぐしゃの状態でもいいのですが、そこまであからさまにする必要もないので、ルーズにたたむ程度でいいでしょう。
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