ここ数年、カジュアルシーンでのチェスターコートの人気が続いています。
少し前まではダンディーなおじさまが着るものというイメージで、ビジネスシーンでもそこまで見かけなかったのですが、ここ数年のカジュアルシーンでの人気によって、ビジネスでも着用する若い人が増えています。
大人の男なら一着は持っておきたいチェスターコート。その歴史やオススメの一着について紹介します。
チェスターコートとはどのようなコートか
チェスターコートとは「チェスターフィールド・コート」の略で、19世紀イギリスのチェスターフィールド伯爵(1805年-1866年)が着用していたことがその名の由来になっています。
スーツのジャケットをそのまま長くしたようなデザインで、シングルブレステッドだけでなくダブルの打ち合わせのものもあります。
現在一般的に着用されるコートの中では最も格式が高いものとされ、冠婚葬祭などのフォーマルな場に適したコートといえます。
比翼仕立て(ボタンの部分の生地が二重になっていて、ボタンが表から見えない仕立て)で、上襟にベルベットを使うのが正式なものになりますが、それらを簡素化した打ち抜き(ボタンが表から見える仕立て)で、ベルベットを上襟に使っていないもののほうが、ビジネスやカジュアルにおいては主流になっています。
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ラペル(襟)は定番のノッチドラペルと、ドレッシーなピークドラペルのものがあります。突き出たところのない曲線のショールカラーのものもありますが、あまり一般的ではないです。
ジャケットと同じく、シングルはノッチドラペルで、ダブルはピークドラペルのものが多いです。
チェスターコートの素材
素材はウールのものがほとんどです。
ポリエステル混紡やコットンといった変わり種もありますが、ビジネスやフォーマル用コートとしてはウール100%のものを選びたいところです。
カシミヤならいうことなしですが、値段もそれなりにするので覚悟が必要です。
とはいえチェスターコートは流行りに左右されず長く使えるものですし、カシミヤの上質で艶やかな素材感は大人の男のスタイルを格上げしてくれます。多少無理をしてでも、自分への投資ということでカシミヤのチェスターコートを選択するのはアリだと思います。
カシミヤ混のウールだと値段も抑えられているので、そちらを選ぶという手もあります。
オススメの色
チェスターコートの定番の色といえば「ネイビー」「チャコールグレー」「ブラック」です。
フォーマルな場においては、これらダークカラー(+無地)のものが鉄則です。
フォーマル同様ビジネスにおいても、スーツの上から着るチェスターコートはダークカラーをチョイスしておけばハズすことはありません。
ストライプなどの柄物も、スタイリッシュでスーツスタイルを引き立てるのでオススメです。
カジュアルシーンでも上記のダークカラーは人気です。
ネイビーの膝上丈のチェスターコートにハイネックのニット、黒のスキニーパンツという組み合わせは、ここ数年、もはや定番のスタイルといえるほどに人気のあるコーディネートだといえます。
ただ大学生を中心に若い世代に流行りすぎた感もあるため、大人の男が今このコーディネートを取り入れるのはあまりオススメできません。
paulieのオススメは、キャメルやベージュ、ライトグレーなどの明るめの色です。
特にキャメルは定番色のひとつであるものの、それほど着ている人も多くないため差別化もできます。
きれいめなスタイルだけでなく、しっかり色落ちしたユーズドジーンズとの相性もよく、ラフにも着こなせます。
春先に軽く襟を立てボタンをすべて外してリラックスした雰囲気で着こなしたい一着です。
丈は短すぎないもののほうが、大人の落ち着きを出せるのでオススメです。
キャメルは結構存在感がある色なので、インナーは白やグレーなどの落ち着いた色がいいでしょう。
足元は革靴できっちり決めてもいいですし、濃いめのベージュのスエードブーツで色味を統一したり、スポーティーなスニーカーでハズすのもアリです。
胸元はマフラーやストールで
冬の定番のチェスターコートですが、実用面におけるデメリットとして胸元があいているということがあげられます。素材がウールのものでも、胸元があいているとどうしても寒さを感じてしまいます。
そこでオススメなのが、マフラーやストールとの組み合わせです。
防寒対策になるだけでなく、チェスターコートをよりファッショナブルにしてくれます。
防寒を求めるなら胸元をしっかり隠せる「パリジャン巻き」か「ミラノ巻き」、寒さがそれほどでもなくファッション性を強調したいなら「ドレープ(首掛け)」がオススメです。ドレープはコートの内側に入れて、マフラーの色や柄をさりげなく見せるのがスマートです。
後ろ結び巻きは子どもっぽく見えるので避けておいたほうがいいでしょう。