フォーマルな場においてドレスコードがあるように、腕時計にもフォーマルに適したものがあります。
日本では結婚式とお葬式、あとは格調の高いパーティーなどがフォーマルシーンといえますが、そこでどのような時計をつけるべきかについて解説していきます。
シンプルで控えめなデザインが鉄則
フォーマルにおける時計は、シンプルで控えめなものほどよいとされています。
なぜならたくさんの機能がついているものは、それだけ実用的で、時間を気にしていると思われるからです。
フォーマルの場で時計をチラチラ見ることは、マナー違反になります。
主催者やほかのゲストはその行為を、なにか用事があったり、退屈しているという意思表示と受け取ります。
だったら腕時計なんてしなければいいのに、と思われるかもしれません。実際それはその通りで、腕時計をしていかないのもひとつの方法ではあります。
フォーマルな場に合致するものを持っていないなら、腕時計はしないほうがいいです(特にお葬式)。
とはいえマナーや作法というものは、ときに変化したり、また、矛盾したものが含まれることもめずらしくありません。
時間を気にすることをマナー違反としながらも、華やかな場においては、アクセサリーとして腕を飾ることをよしとする面もあるのです。
一般的に「ドレスウォッチ」とは、そうした場にふさわしいようにデザインされたもののことを指します
白文字盤・2針・黒革ベルト
上記のことを踏まえた上で、具体的にどのようなデザインがフォーマルにふさわしいかというと、「白文字盤」「2針」「黒革ベルト」ということになります。
白文字盤とはその名の通り、時計の文字盤が白のもののことです。
文字盤に書かれている時間を示す数字(インデックスといいます)は、アラビア数字(1、2、3、4、5…)よりローマ数字(I、II、III、IV、V…)を使ったもののほうがフォーマル度が高いとされています。
シンプルさという観点から、針は2針、つまり何時であるかを示す短針と、分針だけのものがよしとされています。
これに関しては、3針(秒針つき)でも問題ありません。ただ、3針だと2針と比べてケースの厚さが増す場合があります。腕時計の大きさは、オーバーサイズではなく小さいもの、厚さも薄型のものがフォーマルでは推奨されます。
ベルトは革で、色は黒のものを選びましょう。
フォーマルにオススメの腕時計
OMEGA(オメガ)デ・ビル(De Ville) コーアクシャル
根強い人気を誇るオメガのデ・ビルの、シンプルな3針モデルです。
デ・ビル(De Ville)とはフランス語で、「都市」や「街」を意味する単語です。
その名の通り都会のように洗練されたデザインは、フォーマルだけでなくビジネスシーンにも力を発揮します。
ムーブメントの劣化を抑えるコーアクシャル機構を採用しているので、通常3~5年に一度必要なオーバーホールを10年しなくてもすむなど、堅牢性と経済性に優れたモデルでもあります。
ケース直径: 39.5mm
ケース厚: 9mm
耐水圧: 30m
ムーブメント: 自動巻き
PATEK PHILIPPE(パテック・フィリップ)カラトラバ 5119
時計界の最高峰ブランドであるパテックフィリップ、その代表的なモデルが「カラトラバ」です。
ここで紹介しているカラトラバ5119は人気の3919の後継モデルで、「クル・ド・パリ」と呼ばれる特徴的なベゼル(ケースの縁の部分)が特徴です。
ケース直径: 36mm
ケース厚: 7.43mm
耐水圧: 3気圧防水
ムーブメント: 手巻き
あとがき
日本において、腕時計のデザインのマナーまで求められるようなフォーマルな場というのはそうそうないとは思いますが、マナーというのは相手に対するものだけでなく、自身の心構えのことでもあるといえます。
フォーマルを突き詰めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。