以前、穴のあいたボロボロのボディバッグを修理に出してみた、という記事を書いたのですが、その記事の最後で次のようなことを書きました。
穴の修理に関しては満足のいく仕上がりになったのですが、元々の革の部分がもう限界のような気がします。パッチを貼ったところの下の部分にひび割れができはじめていました。底の革を全部替えるのはお金がかかるだろうなあ……。
ついにその時がやってきてしまいました。

補強した箇所の上に穴が
実際には下ではなく上の部分で、バッグを持った時に負荷がかかりやすいところが傷んでしまったようです。ちなみに両側ともこうなっています。
諦めて新しい鞄を買おうかなと思い、同じようなのを探してはみたのですが見つからず。いい感じのものがあっても物価高の影響で、ボディバッグにこの額を出すのはなあ……というものが多かったです。
というかやっぱりこのCOACHのボディバッグが好きなんですよね。だからこそ10年以上(15年以上?)使ってきたわけで。買ったのが昔すぎて、もはや商品名も覚えていませんが、カーキ色のナイロンと革の組み合わせがかっこよくて気に入っています。

持ち手は元々付いていたナイロンベルトを外して、別のCOACHのショルダーバッグの付属ベルトを加工して使用
というわけでお直し屋にGo!
バッグの修理計画
前回のように穴のあいた部分だけを直しても、結局また別のところにしわ寄せがいくだけなのはわかっていたので、今回は底の革をすべて張り替えることにしました。

穴のあいた部分にパッチを貼った前回修理後の状態
ワタクシ自分でできることは可能な限りDIYで済ますタイプなのですが、この張り替えは素人には絶対無理だとわかっていたので、前回と同じお直し屋さんに頼むことにしました。
一番悩んだのは革の色です。
このバッグは、革の部分がダークブラウンで統一されています。となると張り替える革も同じ色にするのがベターだとは思うのですが、当然ながらまったく同じ革は手に入らないわけで、似たような色の革で我慢するしかありません。しかも、現状このバッグの革の部分は年季の入った見た目なので、仮にかなり近い色味の革が手に入ったとしても、底だけピカピカで、他の部分は使用感があるというちぐはぐした状態になってしまいます。
悩みに悩んで出した答えはブラック。
前回直した時に黒い革をパッチ風にあてたのですが、この革が底全体を覆っていたらどうだろう、とイメージを膨らませ、よし、これなら悪目立ちしないし、むしろ高級感が出るかもしれない、と決断しました。
決断したと言いつつ、修理代金を払った帰り道、ああやっぱりダークブラウンにしておいたほうがよかったんじゃないか、と優柔不断ぶりを発揮したんですけどね。
修理後のバッグ
約1カ月後、バッグが修理から戻ってきました。
修理に出した時は2カ月くらいかかるという話だったので、思いのほか早かったです。
では見てみましょう。
ジャンッ!

ハリがあって高級感のある仕上がりに
どうですか。すばらしい仕上がりです。黒にして大正解。作業してくれた方、ありがとう。
狙い通り、高級感もあります。
オリジナルのものより革の厚みと張りがあるので、バッグを置いたときにふにゃっとならず、膨らんだ状態をキープしています。
横のほうに付いていたCOACHのブランドパッチは外してもらいました。表面にひび割れがありましたし、革の色味が変わったところに付けても浮いてしまうと思ったので。

ナイロン部分との縫い合わせもバッチリ
ジョイント部分の革も一緒に交換しておけばよかったかも…
修理の値段
革の張り替え費用は、税込で21,450円でした。
高い! と多くの人は思うことでしょう。私も思いました(笑
ただ前回、穴があいたところにパッチのように革を張って5,500円(税込)だったので、覚悟はしていました。自分の中で、2万円以内だったら修理を頼もうと思ってお店に行ったのですが、提示された値段は21,450円。一瞬迷ったものの、税抜なら2万円以下だからまあいいか、というよくわからない理屈で自分を納得させ、修理をお願いすることにしました。
そもそも張り替えにあたっては、バッグの中のライナーをすべて剥いで、両サイドにあるリベットも外し、革の型を取り、底の曲線に合わせて内側から縫い合わせないといけないわけで、かなりの技術が必要になります。
相当時間のかかる作業だと思いますし、諸々考えると妥当な値段のような気もします。
お店の人は、修理代が高額なのでおそらく私が断るだろうと思っていたかもしれません。値段を伝えた後に「ゆっくり考えていいですよ」と言っていましたし。
その後、割とすぐに「修理をお願いします」と言ったら、「あ、やるんだ」みたいな表情を一瞬したように見えました(笑
あとがき
このバッグは、今回のを含めて3回修理に出しています。
1回目は革の補色とストラップの作成で、2回目がサイドの穴があいた箇所の補修、そして今回です。
今にして思うと、2回目の修理の時に中途半端に直さず全部張り替えてもらえばよかったなと。それほど時間がかからずして3回目の修理に出すことになったので、2回目の修理代が無駄な感じになってしまいました。
まあそんなことはさておいて、修理後のバッグに関しては非常に満足しています。ストラップを細い革製にしたことも功を奏して、全体的にラグジュアリーさが感じられる見た目になりました。
一生ものという言葉は信じていなかった私ですが、このバッグはもしかしたらこの先も修理を繰り返して一生ものになるかもしれません。ナイロン部分が破れたら終わりだとは思いますけどね。