まずはじめに、店員と付き合うというのはほかの出会いと比べると難易度的には高めです。
相手は仕事モードで、まわりには同僚もいます。勘違いする人もいないでしょうが、店員さんのスマイルは基本ビジネスです。
欧米なら店員と気さくに話してそこからなにかがはじまる、なんてことがよくあるかもしれませんが、残念ながらここは日本です。みんなシャイですし、まわりの目を気にしがちな民族です。
しかしそのあまりに高い壁を、簡単に乗り越える方法がひとつあります。
それは、
そのお店で働くことです。
そうすればあなたは客から職場の同僚へと立場が大きく変化し、会話する機会も増え、付き合える可能性も高まるでしょう。いやー、目から鱗です。
……冗談です。すいません。いや、冗談でもないのですが、こんな方法は自由にバイトができる学生くらいのものです。確率的に一番高いのはまちがいないとは思いますが。
というわけで、ここからは客と店員の関係から発展する方法を解説していきます。
話すのが上手で誰とでもすぐに打ち解けられるような性格の方でしたら、そもそもこういった内容のものを読まないと思うので、自分から積極的に声をかけたりするのが苦手な方に向けた内容になります。
基本的には女性の店員を想定していますが、男女逆のパターンでも参考になると思います。
コンスタントに通って顔を覚えてもらう
最低限、自分の存在を認識してもらわないことにはなにもはじまりません。
喫茶店、ファミレス、コンビニ、居酒屋、どこでもいいですが、まずはコンスタントに通うことです。できれば同じ時間に行って同じものを注文します。そうすることで相手に自分の存在を印象づけることができます。
注意点としては、いきなり通い詰めて意中の店員にだけ声をかける、なんてことをしないことです。不審人物になって相手を怖がらせてしまいます。徐々に距離を縮めていく戦略をとりましょう。
コンスタントに通うのが難しい店、たとえば携帯ショップなど、なにか用事がない限りは行かないようなところの店員さんが気になった場合は、残念ながら諦めたほうがいいかもしれません。
よほどのイケメンで、初対面で相手の反応があまりにもよかった場合は別ですが(その場合も勘違いの可能性あり)、そうでなければさすがに難しいです。
ちょっとしたあいさつをかわす
店員をくすっと笑わせたり、打ち解けるための会話の例などがありますが、そんな会話をできるところまで持ち込めたら苦労しないよ、と思う方もいると思います。
実際店員とじっくり会話できる機会を得ることは難しく、できてもひと言二言でしょう。なのでまずはそのひと言を言うところからはじめます。
「ありがとう」
品物を受け取ったときや注文した飲み物が来たときのタイミングで、「ありがとう」とひと声かけてみましょう。
ただし目線をはずして、ぼそっとつぶやくように言っては意味がありません。相手の目を見て少し微笑んで言うのがポイントです。
「ありがとうございます」と敬語で言ってもいいのですが、できればフランクな自分を演じて、最初から「ありがとう」と言ったほうが距離は縮められるでしょう。
商品について聞いてみるのもいいと思います。「オススメはどれですか」とか「これ結構売れてるんですか」といった、すぐに答えられるような簡単な質問です。「店長に聞いてきます」と言われたりするレベルの本気の質問はやめましょう。
レジなどで待っている人がいない状況なら、カードが見つからないフリをしたりして、ちょっとドジな自分を演出するのもおもしろいかもしれません。パントマイム戦法です(笑。
とにかく相手になんらかの「引っかかり」を作ることが重要です。
ちょっとしたあいさつをかわせるようになったら、次は店の商品に関係ない会話をするようにします。たとえば「今日寒いですね」や「なんか雨降りそうですね」といった、気温や天気の話からはじめるのが無難です。
そこまで行けば「顔なじみのお客さん」という認識になるでしょう。
だいぶ話せるようになってきたら、会話の流れで相手の名前を確認して、名前(苗字)で呼んでみるようにします。
このとき大切なのは、相手の反応をしっかり見極めることです。名前を呼んだときに相手の顔がこわばってしまったら、すっとひいて仕切り直すようにしましょう。
実践編で詳しく述べますが、連絡先を渡すチャンスは一度きりです。その一度きりのチャンスがうまくいくように、少しでも距離を縮めて可能性を最大限に高めるのがこの段階です。
近所の店でも身だしなみは整えるべし
どんな会話をするかだけでなく、お店に着ていく服にも気を遣うようにしましょう。
たとえばコンビニの店員さんが気になっている場合、コンビニだからといってダウンジャケットにスウェットパンツ、足元はクロックスといった、「近所に買い物をしに行くときの格好」で行くのはNGです。
特別気合いを入れた服で行く必要はありませんが、髪を整え、ヒゲをちゃんと剃って、きれいめのファッションで、相手に少しでも好感を持ってもらえるようにしましょう。
出待ちは絶対にNG
相手の仕事が終わった時間を見計らって、店の近くをうろつく。これは一発で相手に恐怖を与えてしまいます。警察案件になりかねません。
もちろん店の裏口の真ん前に立って待っている、なんてことをする人はいないと思います。
そんな直接的ではなくても、自分では自然だと思っている行動、たとえば相手の仕事帰りの時間にたまたま自分も近くのコンビニに買い出しに行き、そこで偶然会う、などの設定は不自然でしかないです。
街中で偶然出会うなんていうことはまずありません。相手もそういった行動が意図的であることを見抜いている可能性が高いです。
以上で準備編は終わりです。十分に距離を縮められたと感じたら、次は実践に移ります。