ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)はドイツ発祥の靴ブランドです。240年もの歴史を持ち、その履き心地と機能性、そして独特のデザインで、世界中に愛用者がいます。
私もそのひとりで、以前からギゼ(Gizeh)を愛用していたのですが、ボロボロになってしまったのでこのたび買い換えてみました。
ギゼについて
ギゼはトングタイプ(つま先で挟むタイプ)のサンダルです。ビーチサンダルのゴージャス版と考えるとわかりやすいかもしれないです(笑
古代ギリシャのサンダルからインスピレーションを得たデザインとどこかで見たことがあるのですが、ギゼというのはエジプトの都市のことであり、古代エジプトの服装からも影響を受けているかもしれません。
ギゼとラムゼスの違い
ギゼと似たデザインのラムゼス(Ramses)というモデルがあります。
この2つの違いはアッパー部分の太さです。
ラムゼスのほうが太いので、履いたときのホールド感としては上だと思います。といってもギゼのほうもホールド感は悪くはないです。ギゼの細いアッパーのほうがスタイリッシュさがあるかなと思いますが、その辺は好みの問題かと。
ラムゼスの商品ページには“Gizehのメンズモデル”と書いてあるのですが、ギゼにも男性がモデルを務める商品があるので、あまり関係ないかと思われます。
ちなみにこのラムゼスですが、「ラムセス」と表記されることもあります。
公式サイトでも、商品ページではラムゼスになっているのですが、モデル選択欄ではラムセスになっているなど、表記が混在しています。
英語の発音から考えると濁音のないラムセスのほうが近い気がするのですが、この商品に関してはラムゼスと濁音ありの表記をしているショップが大多数です。
ビルコフロー(Birko-Flor)の特徴
ギゼのアッパー素材は大きく分けて、ビルコフロー、レザー、EVAの3種類があります。
ビルコフローとはビルケンシュトックが開発した合成素材のことで、革っぽい風合いと手触りがあり、水にも強く耐久性に優れています。裏はフェルト状になっていて足にやさしいです。ビルケンシュトックの多くのモデルに使われています。
天然皮革のレザーを使ったモデルもありますが、値段が一気に上がってしまいます。日常使いのサンダルとしてハードに使うなら、お手入れがしやすいビルコフローモデルをオススメします。
EVAは一般的なサンダルにも使われる合成樹脂で、海や川などに履いていくならこのモデルでもありだとは思いますが、水に濡れるのが前提なら普通のビーチサンダルでもいいかなと。
ビルケンシュトックのサイズ感
EU | cm |
---|---|
35 | 22.5 |
36 | 23 |
37 | 24 |
38 | 24.5 |
39 | 25 |
40 | 26 |
41 | 26.5 |
42 | 27 |
43 | 28 |
ビルケンシュトックの靴のサイズはEU表記がメインなのですが、センチメートル表記もあるので迷うことはないと思います。
ただEU表記がメインということで、23.5cmと25.5cm、27.5cmがありません。これらのサイズの方は、やや大きめか小さめを選ぶことになります。
サイズ感はコンバースなどの普通のスニーカーと同じ感覚で大丈夫です。
私は足長25.9cm(体重をかけた状態)で、普段26cmのスニーカーを履いていますが、ギゼではサイズ40(26cm)がぴったりでした。
画像を見てピチピチじゃんと思う方もいるかもしれませんが、個人的にはきつい感じはまったくなくジャストな履き心地です。ベルトの穴も真ん中を使っていますし。
ただ私は足幅がDと結構細いので、それより幅広の方はワンサイズ上げたほうがよさそうです。
また、ルーズに履きたい方や、爪先やサイドにもう少し余裕がほしい方も、ワンサイズ上げたほうがいいと思います。
ビルケンシュトックは全製品のサイズが統一されているので、一度自分に合ったサイズを見つけてしまえば、この先サイズで迷うことはないです。
レギュラー(幅広)とナロー(幅狭)
ビルケンシュトックのサンダルにはレギュラーとナローの2つの足幅があります。ショップによっては幅広(レギュラー)と幅狭(ナロー)と表記しています。
どのモデルもインソールに足跡マークがついているのですが、輪郭のみがレギュラーで、塗り潰されているのがナローです。
一般的な足のサイズの方でしたら、男性はレギュラー、女性はナローでいいと思います。
私の場合、足幅10.2cm(親指のつけ根から小指のつけ根まで)で、おそらく日本人男性の平均か少し細いくらいだと思うのですが、レギュラー幅がぴったりでした。
・男性
普通の足幅の場合→レギュラー
足幅が狭い場合→ナロー
・女性
普通の足幅の場合→ナロー
足幅が広い場合→レギュラー
甲の高さについてはベルトで5段階に調整できるので、甲高の人でも低い人でも問題なく履けます。
5年ぶり2度目のギゼ
最初にも書いたのですが、ギゼを買ったのは今回がはじめてではなく、5年ぶり2度目です。
5年間、春から秋まで、ちょっと出かけるときには必ず履いていました。
汚れが目立ってきたらスニーカー用の洗剤を使ってタワシでゴシゴシと洗うなどかなり手荒に扱っていたところ、さすがに限界が来たのか踵と親指の付け根あたりのコルクが割れてきてしまいました。
というわけでもう一足買おうかと思ったわけですが、問題はどのモデルを買うかです。
前回と同じビルコフローのシンプルなブラックでも全然問題はなかったのですが、まったく同じものを買うのも芸がないかなと、似た色合いの別のギゼを探すことにしました。
候補にあがったのはアッパー部分にシルク光沢コーディングが施された「グレイスフル リコリス」と、アザラシの毛皮に着想を得たという「アニマルファシネイション スレート」。どちらもビルコフローです。
ものすごく迷ったのですが、アニマルファシネイション スレートのほうは光沢が強くギラギラしていそうな気がしたのでグレイスフル リコリスにしました。
ちなみにこの2つの商品はレディースの括りになっているのですが、26cmでレギュラー幅のものもあるので、男性でもそのサイズまでなら問題なく履けます。レディース向けのサイジングというわけではなく、メンズ向けもレディース向けも同一のサイズと幅になっています。
グレイスフル リコリス
実店舗にも行ってみたのですが、グレイスフル リコリスが売っていなかったので、実物を見ることなくオンラインストアで購入しました。
買って正解でした!
ちょっと不安だった光沢感もそれほど強くなく、むしろその光沢がビルコフローの表面の細かいシワを際立たせ、本革のような質感に見せています。つま先のリベットとベルトのバックルにも表面加工がされており、アンティーク風な仕上がりになっています。
うむ、かっこいい。
ギゼの新旧比較
5年履いたものと新品を比べると、当然のことながらいくつかの違いがあります。
まずはソール部分。
古いものはつま先が反り上がっています。繰り返し履いていくうちに、本来平らだった底の形が変わってきたのだと思われます。
そしてインソールにも大きな変化がありました。
ビルケンシュトックではインソールのことをフットベッドと呼んでいるのですが、5年履いたほうは表面がザラザラで、フットベッドという言葉のかけらも感じられません(笑
それに対して新品のほうは、表面が起毛しているのかと思うほどになめらかで、足の裏が気持ちいいです。
アッパーのビルコフローについては、5年履き続けたにもかかわらず、見た目的にはほとんど劣化していません。さすがです。
ビルケンシュトックサンダルの弱点
個人的にはめちゃくちゃ評価の高いビルケンシュトックのサンダルですが、唯一にして最大の弱点があります。
それはフットベッドに足跡がつくということです。
素足で履くわけですから、どんなに気をつけていても擦れたり汗をかいたりして足の形がくっきりついてしまいます。はき込んだジーンズのような味といえば味なのかもしれませんが、個人的にはみすぼらしさを感じてしまいます……。
この足跡はタワシでゴシゴシ擦っても取れません。
いくつかのモデルではブラウンではなく足跡がわかりにくそうなブラックのフットベッドのものもあり、それをもっと多くのモデルで採用してくれたらなと思います。
あとがき
ビルケンシュトックのサンダルは履き心地がいいだけでなくデザイン性もあるので、オシャレ好きな方にとっては一度履いたら手放せない一品になるでしょう。