フィッティングにおいてパンツの裾の長さというのは悩みどころのひとつです。
レギュラーフィットのジーンズだったら、踵から指一本分上の長さという定番の測り方があるのですが、スキニーパンツだと足首の部分で引っかかってしまうので、その測り方だと目安になりにくいです。
というわけで今回は、スキニーパンツの適切な裾の長さについて解説していきたいと思います。
スキニーパンツとはなにか
スキニーパンツのスキニー(Skinny)とは、「痩せ細った」や「とても細い」という意味の英単語です。
その名の通り、足の形にフィットする細身のパンツのことを意味するのですが、ここ最近できたものではなく、パンクやロックなどの音楽系のファッションで昔から存在していました。
とはいえそれらのファッションは、音楽と結びついた一部の人たちのものにすぎませんでした。
スキニーパンツは、現在のメンズファッションにおいてはトレンドというよりもはや定番のアイテムとなっているわけですが、その源流となったのは2000年半ばのディオールオム(Dior Homme)だといえます。
極端に細身のモデルが、タイトなシルエットの服を身にまとったコレクションは驚きをもって迎えられ、そのタイトなシルエットのファッションは一般層にまで広まったのです。
スキニーパンツのシルエットのトレンド
スキニーパンツのシルエットには、じつはちょっとしたトレンドがあります。
全体的な傾向として、スキニーパンツが流行りはじめたころは太ももから足首にかけて隙間のないくらいぴったりとしたサイジングで、股上もかなり浅かったのに対して、ここ最近のものは太ももの部分に若干のゆとりがあるテーパードタイプで、股上も少し深くなっています。
極端なものから徐々に角が取れていくような感じですね。
ぴちぴちタイプのスキニーは、スーパースキニーとして分けて販売されていることが多いです。
スキニーパンツの裾の長さの選び方
カジュアルにおけるスキニーパンツには、正解といえるような裾の長さはありません。
長めでも短めでもそれぞれ違ったニュアンスがあるので、結局のところ好みの問題だといえます。
とはいえそんなことを言ってはこの記事の意味がないので、それぞれの長さの特徴について紹介していきたいと思います。
まずはスキニーパンツにおいてどの程度の長さをもって「長め」「短め」「ジャスト」というのか、それを定義していきたいと思います(あくまで便宜上の分類なので、「ジャスト」が正解というわけではありません)。
「長め」→裾がくるぶしのところでくしゅくしゅとたるんだ長さ
「短め」→靴を履いても裾がまったくたるまない長さ(アンクルパンツほど短くはない)
「ジャスト」→靴の甲に裾が軽く触れる長さ
ではひとつずつ見ていきましょう。
長めの裾
長めの裾にすると、足首のところだけでなくすねや太もものあたりにもシワができ、ラフな印象になります。
男性のハリウッドセレブのファッションを見ると、長めの裾のスキニーパンツをはいている人が結構います。
女性の間でスキニージーンズが流行りはじめたころ、ヒールを履いてスキニーの裾をたるませてはく人が多くいましたが、最近ではあまり見かけないですね。
アンクルパンツなど短めの裾がトレンドになっているので、その傾向がスキニーにも表れているのかもしれません。
短めの裾
短めの裾にすると、パンツにシワができずすっきりとした足のラインを見せることができます。
「さわやかさ」や「かわいらしさ」が感じられる裾の長さです。
注意点として、あまり短くカットしてしまうと裾に近づくにつれて細くなっていくスキニーパンツの裾幅が、カットする前と比べて広がってしまうことがあげられます。
裾上げは、元のシルエットを崩さない程度にしておくようにしましょう。
ジャストの裾
ここでは靴の甲に少し触れる程度の長さを「ジャスト」としていますが、このくらいの長さが現在の主流です。
スキニーパンツの裾の長さに迷ったときは、「ジャスト」をチョイスするといいでしょう。
靴を履いた状態での「ジャスト」なので、靴を脱いだときに少し短く感じるかもしれません。
試着する際に靴を履いて確認しよう
レギュラーフィットのパンツと異なりスキニーパンツは裾幅がかなり狭いため、靴を履いたときに裾が引っかかってしまいます。
靴もハイカットのものやローカットのもの、甲の部分が厚いものや薄いものなどさまざまな種類があるので、自分がよく履く靴でスキニーパンツを買いにいって、試着時に靴を履いて裾の長さを確かめるようにしましょう。
上で紹介した「短めの裾」の画像は足首の部分がかなり出ていますが、これは靴がローカットのためであり、もう少しサイドが高い靴だとまた印象が変わってくると思います。
まとめ
最近のスキニーパンツは裾をたるませずにはく傾向があるので、どれくらいの裾の長さにすればいいかわからないときは、この記事で述べた「ジャスト」くらいの長さにするといいと思います。
短くはきたいときはロールアップという手もありますし、あまり短く裾上げしないほうがコーディネートのバリエーションが増えるのでオススメです。