ホワイトハウスコックスはどうなった?廃業後の意外な展開とべオーマの登場

ホワイトハウスコックスはその後どうなった?
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2022年の年末に事業を廃止することになった、イギリスの高級皮革ブランド「ホワイトハウスコックス(Whitehouse Cox)」。創業は1875年なので、147年の歴史に幕を閉じることに。
後継者不在というのが廃業の大きな理由らしいです。

個人的にホワイトハウスコックスのベルトを愛用しているので、これはかなり残念なニュースでした。
まあ実際にそのニュースを知ったのは、すでに廃業してしまったあとのことなんですけどね。

ホワイトハウスコックスのダークブラウンのメッシュベルトを買おうといろいろサイトを見てまわったのですがどこも品切れで、なんでだろう? と思って調べてみたら、廃業していたことに気づいたというわけです。

代わりになるベルトも探してみたのですが、ホワイトハウスコックスのあの高級感のあるツヤツヤで柔らかいカウハイドのメッシュベルトと比較できるようなものは見つけられず、結局買わずじまいになっています。ホワイトハウスコックスのベルトは、28mmというやや細めのものがあるのもよかったんですよね。

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ホワイトハウスコックスのその後

2022年末の廃業からおよそ半年後の2023年6月28日、アパレル・革小物等の企画販売を行う株式会社ヤマニ(日本)が、ホワイトハウスコックスの全世界の商標権を買い取る契約を交わしたとプレスリリースしました。

ホワイトハウスコックスはイギリスのブランドなのですが、日本では雑誌Beginなどでの紹介によって特に人気が高く、日本の会社が商標を買い取って復活させるというのは、まああり得る話かなと思いました。英国ブランドという看板がどうなるかはわかりませんが。
今後の展開についても書かれていたので、ブランド名は存続し、いずれは製品の販売も開始するんだろうなと。

今後「Whitehouse Cox」は、当社の所有ブランドとして企画・生産・販売されます。
商品の販売時期については、決まり次第コーポレートサイト等で発表する予定です。

引用:https://www.yamani.co.jp/news/news/

これにて一件落着……と言いたいところですが、それから1年以上たった現在も、ホワイトハウスコックスは復活していません。

ついに復活!(追記)

2024年9月中旬に、メッシュベルトの販売を開始するそうです。それ以降、順次ホワイトハウスコックスの人気定番商品が復活するとのこと。
詳しくはこの記事の最後の追記をチェック。

べオーマの登場

ヤマニによる商標権獲得のニュースの少し前に、元々ホワイトハウスコックスの日本総代理店を務めていたグリフィンインターナショナルのサイトFRAMEにて、ベオーマ(BEORMA LEATHER COMPANY)という名前の新たな皮革ブランドの取り扱いがはじまりました。

サイトの説明によると、べオーマはホワイトハウスコックスの熟練スタッフを集めて立ち上げたイギリスの新興ブランドで、ホワイトハウスコックスの技術とDNAを受け継いでいるとのこと。

後継者がいなくて廃業したはずなのにちゃんと後継者がいるじゃん、と思ってしまったのですが、経営の後継と技術の後継はまた別物ということなのかもしれません。

商品ラインアップも、メッシュベルトなどホワイトハウスコックスの定番品がそのまま受け継がれており、まだ店頭で実物を見ていないのですが、サイトの写真を見る限りだと質感も遜色なさそうです。

DE、このべオーマですが、ネットで検索をしても出てくるのは日本語のものがほとんどです(日本だけ、というわけではありませんが)。イギリスのブランドではあるものの、日本のマーケットとの関連が深そうなのが窺えます。

ここで思ったのが、だったら最初からグリフィンインターナショナルが商標を取ってホワイトハウスコックスを存続させればよかったのでは、ということです。
まあこの辺は大人の事情がいろいろありそうですが……。

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謎の新興ブランド べオーマの歴史

べオーマについては情報が少なかったので、自分なりに調べてみたところ、べオーマ創業者のアレックス・シンプソン氏が、起業の経緯について語っているサイトと動画を見つけました。

Beorma Leather Company Limited - Made in Britain

2022年5月、彼は長年の軍事的な仕事を終え、夢であった小さな工房を立ち上げ、革製品の制作をはじめました。
それから3カ月たったころ、ニュースでウォルソール(イギリス バーミンガムに隣接する町)にある4世代続く会社(ホワイトハウスコックスのこと)が閉鎖されることを知ります。

彼はオーナーと連絡を取ります。最初は設備を買い取れないかという話をしようと思っていたのですが、話を聞くうちに、自分がこの伝統を引き継いでいかなければと感じ、その会社の多くの従業員を雇うことにしました。
当時ホワイトハウスコックスには67人の従業員がいたそうですが、そのうちの27人を雇用したそうです。

ウォルソールはイギリスの皮革産業の中心地でしたが、近年は革を扱う会社が減り続けています。もしここで彼らを雇用しなければ、ほかに雇い入れるところがないため、彼らは皮革産業から離れざるを得ません。それはつまり貴重な技術が失われることを意味します。

それをなんとかつなぎとめたいという思いでシンプソン氏は動いたわけですが、最初は小さな工房で数人ではじめるつもりだったのが、いきなり27人も雇ってスタートしたわけですから、かなりのチャレンジだったと思います。

結局ホワイトハウスコックスの屋号を継ぐという流れにはならず、元スタッフがべオーマに入るという形になったようです。
ただインスタグラムに下記の投稿(23.6.8)をしていることから、ホワイトハウスコックスの伝統を引き継ぐ立場にあることを自負しているのは間違いありません。

Born from a leather-making company established in 1875, Beorma imbues every single stitch with craftsmanship and tradition.
(1875年に創業された皮革制作会社から生まれたべオーマは、ひと針ひと針に職人技と伝統を吹き込んでいます。)

引用:https://www.instagram.com/p/CtMfVl8NTyL/

マーケットについては、やはり日本が大きな市場になっているようです。
日本にはイギリスのハンドメイドの皮革製品の巨大な市場があるので、代理店を通して製品をたくさん流通させている、というようなことを語っています。
また、ハイブランドの皮革製品の製造も請け負っているらしいです。OEMというやつですね。

ビジネス面においても、ホワイトハウスコックスと同じような形態をとっていると思われます。

近い将来、東京とロンドンに店舗を構えたいとも語っていたので、ぜひその計画を実現してほしいところです。

あとがき

設立の経緯を見るに、ホワイトハウスコックス愛好家の乗り換え先は今のところべオーマ一択かなと。商標を持っているところは動いていないようですし。

べオーマの商品ラインアップを見るとかなり魅力的なアイテムがそろっているのですが、ただ値段がホワイトハウスコックスのときと比べて1.5倍くらいするんですよね……。

今にして思えば、ホワイトハウスコックスのベルトはお手頃だったなと。もっと早く廃業のニュースを知っていれば品切れ前に変えたのに……。情報のアンテナを張っておくことは大事ですね。

個人的に25mm幅のメッシュベルトが気になっています。

追記(24.9.15)

なんとホワイトハウスコックスが復活するとのこと。しかも英国製は変わらず。
本家サイトのクレジット表記を見るとYAMANI INC.とあるので、やはり日本のヤマニが手がけているようです。

こうなるとべオーマの立ち位置が難しくなりますね。生産地も商品ラインアップ的にもかなりかぶっていますし。

「ホワイトハウス コックス(WHC)」がついに帰ってきた!|雑誌Begin(ビギン)公式サイト
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