肌寒くなってきた秋、そして冬の寒さがまだ残る春に、大人の男が着るべきジャケットといえばハリントンジャケット(スウィングトップ)。
今回は、ハリントンジャケットのオリジナルであるイギリスのブランド、バラクータ(Baracuta)の G9ジャケットについてレビューします。
バラクータ G9のディテール
今回紹介するカラーはブラウン系のタン。G9といったらこれ、といった感じの定番色です。
実際に見たときに、思ったよりも暗めの色、と感じる方が多いのではないかと思います。
ニュアンスカラーなので光源によって色味は結構変わります。ここに載せている写真は、日中、電気をつけずに部屋に差し込む日の光で見たときの色味に近づけています。夜に部屋の電気をつけた状態だと、もう少し赤みのある色に見えます。
G9には似た色にナチュラルもあります。こちらは白っぽいベージュといった感じです。
ちなみに購入候補にダークネイビーもあったのですが、実物を見たらほぼ黒で、ブラックと見分けがつかないほどでした。
表地の素材はポリエステル58%、コットン42%の混紡(コットン50% 、ポリエステル50%のものもあります)。COOL MAXという機能性素材が使われています。裏地はコットン80%、ポリエステル20%。
正直、表地は個人的には微妙というか、できれば昔ながらの綿100%のほうがよかったのですが、現在手に入るのはポリ混しかないので(別注等除く)いたしかたなしといった感じです。COOL MAXという響きもなんだかオーセンティックさが失われるようでちょっと……。今の時代にあえてバラクータを買いたいという人には、伝統的な生地と形のほうが需要があると思うんですけどどうなんですかね。
襟はG9を特徴づけるドッグイヤーカラー。
立襟の一種で、ボタンを外すと犬の耳のように襟先が垂れ下がることからこの名前がついています。とはいえ実際はそこまでフニャフニャしていないので、襟を立てたままにすることもできます。
背面には軽くアーチを描いたアンブレラヨークがあります。
アンブレラヨークとは、雨が降ったときにヨークの部分から雫が下に落ちるように作られた切り返しのことです。発祥がゴルフジャケットなので、そうした機能性が付加されたのだと思われます。ただG9のヨークは下の生地との隙間がそんなにないため、機能性というよりかはデザインとしての意味合いのほうが強そうです。
ポケットは、表側の両サイドにフラップポケット、そして左の内側にパッチポケットがひとつあります。
袖と裾にはリブがあり、フィット感を高め、風を防いでくれます。リブのおかげもあって実際に着てみると意外と暖かく、真冬はともかく初冬くらいまではいけそうです。
ちなみにバラクータの主要なモデルにはG9のほかにG4がありますが、この2つの違いとして、G4にはリブが付いていないことがあげられます。あとはG4のほうが着丈が長く、少しゆったりとしたサイズ感になっています。
ダブルジップなので、裾がきつく感じられたら下のジッパーを少し上げて緩めることも可能です。
裏地はバラクータを象徴するフレイザータータンチェック。
同じようなジャケットはたくさんありますが、襟元からチラリとこのチェックがのぞくと、バラクータだなとすぐにわかります。
バラクータ G9のサイズ感
バラクータで一番悩むのがサイズ選びです。
公式サイトを見ても数値表記のサイズ表はなく、サイズガイドとしてあるのは180cmや190cmのモデルの着用動画だけなので参考になる人は少ないはず。しかもスリムフィットですし。
一番いいのは試着することなのですが、ネットで買う場合はそれもできないので、最後はちょっと賭けの部分もあります。まあサイズ交換してもらえばいいだけなのですが。
バラクータを扱うオンラインストアでは各社計測のサイズ表を出しているので、その表と購入者レビューを参考にするのがいいと思います。ただその数値もお店によって少し異なるので難しいんですよね。
というわけで、参考例として私の着画を載せます。
172cm/63kgでレギュラーフィットのサイズ40を着ています。参考までに、普段ユニクロのトップスだとLを着用。
バラクータ G9 サイズ40(レギュラーフィット)
身幅:56.5cm
着丈(後ろの襟の下から):65cm
着丈(首の横から):66cm
裄丈:88cm
裾幅:39.5cm
レギュラーフィットなのですが思ったよりもスリムで、38を試着したらパツパツでした。着れないこともないのですが、少し厚手のインナーを着たら結構きつい感じです。
ただ私の場合、筋トレが趣味で胸囲が98cmくらいあるので、もっと細身の方なら38でいいかもしれません。
購入前にサイトでいろいろと見て回ったときに一番気になったのが腕の長さ。どの着画も手首のあたりがクシュクシュっとなっていて、かなり裄丈が長いのが見て取れました。
ヨーロッパ仕様だから腕が長いのも仕方ないのかな、と思っていたのですが、実際に着てみたところ、拍子抜けというか、そこまで長くはありませんでした。まあ仮に長すぎたとしても、リブがあるから大丈夫だとは思いますが。
バラクータ G9のコーディネート例
バラクータはおじさんくさくてダサい?
バラクータと検索すると、サジェストに出てくるのが「バラクータ おじさん」「バラクータ ダサい」。
まあ気持ちはわからないでもないです(笑
おじさんの秋の装いといえばジャンパー。そしてジャンパーの原型といえばバラクータだからです。
逆にいえば、おじさんだからこそジャンパーが似合うのかもしれません。
世の中に同じような形のジャンパーが数あるなかで、あえてオリジナルのバラクータを選ぶ人は、ファッションに対するコダワリがあると思うので、ダサくなることはないでしょう。
着こなしに関していうと、個人的にこのジャケットはジャストフィットで着たほうがいいと思います。ダボっとしているとそれこそおじさん感が増すというか。かといってピタピタもG9のよさが出にくいと思うので、あくまでも着ていて窮屈ではないジャストフィットで。
また、上のコーディネート例ではワイドパンツと組み合わせたものも紹介していますが、基本的にはボトムスはすっきりとスリムにまとめたほうが無難です。
あとはビジネス感のあるスラックス&ワイシャツと組み合わせるのは結構難しいかなと。作業着ジャンパーみたいになりがちです。
あとがき
バラクータのG9ジャケット。なんとなく着てしまうとおじさん感が出てしまいますが、コーディネートがピタッとハマれば、これほど大人の男の魅力を引き立てるジャケットはほかにはありません。
興味がある方はぜひチェックしてみてください。