30歳を過ぎたある日、ふと鏡を見たときに目に入った顔のシミ。しかもそれは段々濃くなってきているように感じる。
こんな経験をしたことがある人も多いのではないかと思います。
シミにはいくつかの種類があるのですが、年を取ってから出てくる数ミリから1センチ程度の輪郭がはっきりした茶色いシミは、「老人性色素斑」(日光性色素斑)の可能性が高いです。
老人性色素斑は、紫外線によって生成されたメラニン色素が沈着してできるもので、頬やこめかみのあたりに発生しやすいです。
老人性という表記を見るとショックが大きいかもしれませんが、わりと一般的なもので、特に若いころから日焼け対策を行わず紫外線を浴び続けた男性は早い段階で現れることがあります。
シミやホクロというのはどうしても目立ってしまって、初対面の相手においても、どこどこにシミがある人、といった印象を与えがちです。
そんな困ったシミをなんとかしたいという人向けの、シミ対策の提案です。
シミ対策は3つある
シミができてしまったらどうするか。
対策は「隠す」「治す」「取る」の3つです。
「隠す」というのはファンデーションなどを塗って目立たないようにすることです。最近では男性用のファンデーションも出ていますが、こちらは根本的な解決にはなりません。
「治す」というのはビタミンCとトラネキサム酸を含む内服薬によって、体の内側からシミを薄くしていく方法です。しかし内服薬による治療は数か月単位という時間がかかりますし、老人性色素斑には効果が薄いといわれています(肝斑には治療効果あり)。
「取る」というのはレーザーによる治療のことです。黒い色素にのみ反応するレーザーを使ってシミを取る方法で、一回の治療で済む上、治療効果も非常に高いです。
レーザーの種類と仕組み
シミ取りレーザーには、Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー、QスイッチYAGレーザー、炭酸ガスレーザー等、いくつかの種類があります。
老人性色素斑に使われるのはQスイッチ系のレーザーです。肌の色を濃くするメラニン色素にのみ反応するこれらのレーザーを照射し、メラニン色素を破壊することで、シミを消し去ることができます。
炭酸ガスレーザーは、ホクロなど盛り上がったものを取るときに使われます。
シミ取りレーザーを行う病院の選び方
外科的処置をするので、レーザー治療をするには大きい病院の形成外科や美容外科に行かなければいけないと思うかもしれませんが、町にある個人でやっている皮膚科でもレーザー治療を受け付けているところは多いです。
レーザーを適切に当てるだけなので特別難しい処置ではないのですが、治療実績が少ないところだとやはり不安なので、ネット等で調べてレーザー治療にどれくらい力を入れているかや口コミなどをチェックしておきましょう。
ちなみに私が以前治療した町の皮膚科では、「なんか最近レーザーの調子悪いんだよなー」と先生がボソッと言ってめちゃくちゃ不安になったことがあります(笑 まあきれいに取れたんですけどね。
シミ取りレーザーの料金
5ミリ程度の大きさのものなら5,000円~くらいが目安になると思います。保険適用外の治療になりますが、そこまで高くはないです。
値段は結構幅があるので料金比較して選ぶのもありです。ただ前述したように評判をチェックして信頼できるところにしましょう。
レーザー治療の予約から治療当日の流れ
電話確認
皮膚科は予約制のところとそうじゃないところがあります。レーザーによるシミ取りをやっているかどうかの確認も含めて、まずは電話することをオススメします。
診察日
受付で「シミ取りのレーザーをお願いしたいんですけど」と伝え、診察を待ちます。
レーザー治療自体は保険適用外なのですが、診察は保険が利く可能性があるので保険証を用意しておきましょう。
診察では、シミの種類や大きさをチェックされ、レーザーを適用できるかどうかの判断が行われます。
その後、治療費の説明があります。
そのままレーザー照射が行われる場合もありますし、その日は診察だけであらためて日時を予約する場合もあります。
治療当日
診察台に横になり、目を保護するカバーをつけたら、ついにレーザー照射の開始です。
麻酔クリームを塗ることもありますが、小さいシミなら麻酔なしの場合もあります。
輪ゴムで顔をパチンと弾いた感じの痛み、とおそらく先生は言うと思いますが、輪ゴムでパチンよりかは痛いです(笑 とはいえ耐えられない痛みではありません。すぐ終わりますし。
レーザーはジーっと照射されるわけではなく、バチンバチンと一回ずつ照射していく感じです。
5ミリ程度のシミなら10秒程度で終わると思います。
終わったあとは、火傷したようなじーんとした痛みが残ります。
治療後
レーザー照射後は患部に軟膏を塗り、絆創膏を貼って保護します。
洗顔や入浴は当日から可能です。ただし患部にはあまり触らないようにする必要があります。
照射直後は白っぽく見えますが、その日の夜には赤くじゅくじゅくしてきて、それが次第にかさぶたになり、10日後くらいにぽろっと取れます。
この時点でもうシミはなくなっていますが、傷が治りかけたときと同じように少し赤っぽくなっているかもしれません。それも時間の経過とともに薄くなっていきます。
経過写真
1. 頬にできたシミ。大きさは縦6ミリくらい。
2. レーザー(Qスイッチアレキサンドライトレーザー)照射後1時間。皮膚が赤っぽくなる。
3. 1日後。火傷のような状態に。
4. 4日後。かさぶたができはじめる。
5. 7日後。完全にかさぶたに。
6. 10日後。かさぶたが取れる。若干の赤みが残るものの、時間の経過とともに消える。
レーザー治療をするタイミングとダウンタイム
レーザー照射後しばらくは絆創膏を顔に貼っておかなくてはいけないので、会社勤めをしている方は気になるかと思います。
会社の人に知られないようにするには、夏休みなどの長期休暇中に行うしかないです。
ただかさぶたが取れるまでには普通10日程度かかるので、1週間くらいの休暇だとおそらくちょっと足りないです。
もし目立つシミだったとしたらどのみち取ったことはまわりにわかってしまいますし、なにか聞かれたら「シミを取ってきたんだ」とさらっと言うくらいでいいと思います。意外とまわりは気にしないものです。
シミ取りレーザーに適した季節
シミ取りは夏場は避けたほうがいいといわれることがあります。
夏場は紫外線が強く、治療後のデリケートな肌がダメージを受け、新たなメラニン色素が生じてしまう可能性があるからというのがその理由です。
とはいえレーザー照射後かさぶたが取れるまでは絆創膏を貼っていますし、それが取れたあとは日焼け止めを塗るなどして対策をすれば問題ないと思います。
もし万全を期したいなら、紫外線が特に強い5~9月を避けてスケジュールを組むといいでしょう。
でもまあそこまで気にしなくてもいいかと。取りたいときが取りどきです。
あとがき
顔のシミは気になっていても、それを除去することにはためらいがあってそのままにしているという人は結構多いのではないかと思います。
シミ取りレーザーは町の皮膚科でもできるくらい気軽なものになっていますし、たいていの場合は1回の処置で終わり、金額もそれほど高くはありません。
そこまで目立たないよなあ、いやでもなあ……と悩んで解決を先延ばしにするよりも、思いきって皮膚科に行ってみることをオススメします。
あわせて読みたい>>【画像あり】シミ取りレーザーで薄いシミを取ってみた【男性にもオススメ】