スマホのQRコード決済のススメ – 中国の現状&カード型電子マネーとの比較

QRコード・ペイメント

日本はキャッシュレス化が遅れている、という記事を最近よく見ます。
実際日本でキャッシュレス決済が利用されているのは全体の20%程度で、ほかの先進国からは後れをとっています(ドイツという例外はいますが)。

対して猫も杓子も状態でキャッシュレス化が進行中なのが中国であり、その中でも特に利用されているのが、最近日本でも話題になっているスマホを使ったQRコード決済です。

というわけで今回はそんなQRコード決済について、その先進国である中国の現状を通して、メリットなどについて解説していきたいと思います。

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キャッシュレス化の必要性

まずはそもそもキャッシュレス化がなぜ必要なのか、というところから考えていきたいと思います。

世界にキャッシュレス化の波が来ているからといって、日本は日本で現金を使えばいいじゃない、なんて声も聞こえてきそうですが、まあたしかに、世界の潮流らしいからそれにのっておこう、というだけの考えはどうかと思います。ただキャッシュレス化というのは合理性に基づくものであって、最終的にその利益は、買う側にも売る側にも社会にももたらされるものなのです。

極端に考えてみると、100年、200年先の未来の社会を思い描いたときに、人類が小銭やお札などの現金を使っている姿は想像できません。この先、キャッシュレスで物の売買が行われるようになるのは確実といえます。そして今の社会にはその技術も手段もあるわけです。

・キャッシュレス化のメリット

消費者側から考えたときのキャッシュレス化のメリットといえば、やはり小銭やお札を持ち歩く必要がなくなることと、レジでの支払いがスムーズになることがあげられます。人から人の手に渡る現金の衛生面における問題の解消というのをメリットに感じる人もいるかもしれません。

キャッシュレス化は決済手数料など店側の負担になるのでは、という考えもありますが、現金を維持管理するのもコストはかかります。
小売店でしたら残高確認やつり銭の準備、口座への入金、金庫等の保管場所を備えること、それらを管理する人的コスト等、決済手数料のようにわかりやすく帳簿に数字で表れるものではありませんが、確実に負担になっているといえます。

この現金の維持管理コストというのは、金融界においてはATMの設置や管理、輸送費用などで、年間2兆円もかかっているそうです。それ以外にも、お札や小銭の製造など、現金の流通には思いのほかコストがかかっています。

現在は過渡期で、現金もキャッシュレス決済もどちらも使える状態にあり、キャッシュレス化の完全なメリットを享受できていないわけですが、現金をまったく使わない完全キャッシュレス時代が到来するのが早ければ早いほど、社会が得られる利益は多くなり、結果としてそれは個人にも還元されるはずです

スマホを使ったQRコード決済とはなにか

QRコードを表示したスマートホン

キャッシュレス決済の中でも最近注目されているのが、スマホを使ったQRコード決済です。

これはスマホでQRコードを読み取ったり、逆に自分のスマホにQRコードを表示してそれを相手側が読み取ったりして決済する方法のことです(支払いは店側のQRコードを自分が読み取ることもあるし、自分が出したQRコードを店が読み取るパターンもあります)。

お金はアプリにチャージしたものや、登録した銀行口座、クレジットカードから引き落とされます。
いわゆるモバイル決済の一種です。

三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行のいわゆるメガバンクの三行が、規格を統一して参入を計画していることでも話題になりました。

日本ではまだこれからのサービスといった感じですが、現在のところ「LINE Pay」「楽天ペイ」「Origami Pay」などが勢力を拡大中です。
また、ソフトバンクとヤフーによる「PayPay(ペイペイ)」にも注目が集まっています。

・QRコード決済の店側のメリット

QRコード決済は導入費用が安く、決済手数料もクレジットカードと比べて低く設定されていることが多いです。
入金されるのも早いため、お店側にとって大きなメリットがあるといえます。

個人の側にとってのメリットについては、次にあげる中国の現状とともに紹介します。

QRコード決済先進国、中国の現状

私の友人が現在上海で働いていて、日本に帰ってくるたびに、中国の現状や最新情報を教えてくれます。

中国では自転車シェアリングが流行っていてすごく便利、という話になって、日本でも流行るかもね、なんてことを言っていたのですが、そのあと日本でもスマホなどを利用した中国スタイルのレンタサイクルが話題になり、おお、あのとき話していたことが現実になった、と驚いたことがあります。

最近、日本でなにか新しいサービスが発表されて、お、これはいいかも、なんて思っても、じつはそれは海外ですでに流行っているものを日本化しただけ、なんていうのがあってちょっと残念に思ったりします。

まあそれは置いておいて、そんな友人からよく聞くのがスマホを使ったQRコード決済についてです。
中国でスマホ決済といったら、アリババの「アリペイ」と微信(ウィーチャット)の「ウィーチャットペイ」です。友人の感覚としては、使っていない人がいないというくらいほぼすべての人が、これらのアプリを日常的に利用しているそうです。

大規模なチェーン店だけでなく、中小の小売店でも使えるので、もはや現金を持ち歩く必要がないレベルまで浸透しているのだとか。

買いもの以外のQRコード決済のメリット

QRコード決済というと、お店での買い物の支払いに使うのが一番に思い浮かぶと思います。

ただそれだけだったら、カード型の電子マネーと変わらないですし、QRコードを表示、あるいは読み取り画面まで操作しなければいけない分、より手間がかかるものと思われがちです。というかこれは実際その通りで、お店での支払いだけを取り上げると多少ではありますが、カード型の電子マネーに分があるということもできます。

ではなぜ中国においてスマホ決済がここまで広がったかというと、個人のオンラインでの金銭の取引をトータルで管理できるから、というのがその理由のひとつだと思います。

これらのサービスでは、スマホを使った個人間のお金のやりとりが簡単にできます。

たとえば居酒屋で複数人で食事して、会計を割り勘にしようとした場合、日本だと幹事が現金を参加者から徴収して、幹事のテーブルの前にお札が積み上がって、「あれ、誰か払ってない人いる?」なんて流れになったりと、ごちゃごちゃしがちですが、アリペイやウィーチャットペイなどのサービスを利用すれば、個人宛ての送金が簡単にできるので(相手のID宛てに送ったりQRコードを使ったり)、幹事がまとめて支払って、ひとりいくらでよろしく、という感じで取りっぱぐれなく簡単に精算することができます。これはカード型の電子マネーではできません。

また、中国でもお年玉の文化があって、旧正月には目上の人からちょっとしたお小遣いを貰うそうなのですが、会社の上司と部下の関係でもそれがあるらしく、今はそれがウィーチャットを使った個人送金で行われたりするそうです。

つまりお店での支払いだけでなく、個人が使うお金に関するプラットホームにすることができるというのが、スマホを使ったこれらの決済サービスの強みといえます。中国では公共料金の支払いにも使うことができます。

QRコード決済のメリットについてのまとめ

1. キャッシュレスで買い物ができる
2. 店側は導入費用が安く手数料もクレジットカードより低い
3. 個人間送金や公共料金の支払いなど便利な機能が豊富

スマホを使ったQRコード決済がこれからの主流になるためには、3の機能を充実することが鍵になってくると思います。1だけならほかにいくらでも方法がありますしね。

そう考えると、現在多くの人の通信手段になっているLINEに期待したいところです。LINE Payには個人間送金機能もありますし、現在期間限定ながら手数料無料で加盟店を増やしているところなので、爆発的に普及する可能性があります。

まあLINEではなくてもいいんですが、日本では中国のように強者が一気にシェアを獲得していくということはなく、現在QRコード決済サービスが乱立している状態なので、とにかくすう勢がわかれば一般消費者もQRコード決済に手を出しやすいかなと。

QRコード決済も電子マネーも色々あって面倒くさいなーと思う方も多いと思いますが、基本的にこれらのものは生活をより便利にするためのものなので、ぜひ一度試してみてください。
まだキャッシュレスを試したことがないという方は、Suicaからはじめてみてもいいと思います。案ずるより産むが易しです。

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